100年以上変わらないロゴ

良いロゴとは?ロゴ作成依頼者が知らないと損する3つの条件・②

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(前号の続き)

丸井:「では次に、なぜずっと“美しい”と思われ続ける必要があるのか?」

ビジネスマン:「そうそう、そこなんですよ、わからないのが。」

丸井:「一言で言うと、『すぐにすたれる美しさしか持たないロゴはもったいないから』です。」

ビジネスマン:「もったいない?何がですか?」

丸井:「お金と時間と労力が、です。」

ビジネスマン:「すぐにスタれる美しさしか持たないロゴがなんで、お金と時間と労力の無駄につながるんですか?」

丸井:「ロゴに美しさが必要な理由はすでにお伝えしたとおりです。」

ビジネスマン:「ええ。」

丸井:「と言うことは、作った時は“美しかった”ロゴが、数年たって、もしも“美しくない”となれば、作り替える必要が出て来るわけです。」

ビジネスマン:「まあそうですね。美しくないとなったら、作り替えるべきでしょうね。いつまでも時代遅れの服を着ているようなものですからね。」

丸井:「その時に、お金と時間と労力の無駄が発生するのです。」

ビジネスマン:「なんでだ?……そうか!作り替えるとなると、新たにロゴ作成をデザイナーに依頼し直さないといけないからか!」

丸井:「そうですね。でもそれだけではありません。」

ビジネスマン:「うーん。あとは……名刺や封筒なども印刷し直して、ホームページも手直しするから?」

丸井:「そうですね。でも無駄の発生源はまだあります。」

ビジネスマン:「もう降参です!いったい何ですか?無駄の発生源というのは。」

丸井:「『今まで使っていたロゴを使わなくなること』自体です。」

ビジネスマン:「ええ?今まで使っていたロゴを使わなくなること自体が、無駄の発生源?なぜですか?」

丸井:「先程『人が相手を好きになる条件には色々あって、その内の一つが“美しいかどうか”である』という話をしましたが、また別の条件として“接触した回数が多いかどうか”というものがあるからです。」

ビジネスマン:「接触した回数が多いかどうか?」

丸井:「はい。人には『接触した回数の多い相手を好きになる』傾向があるのです。接触というのは、会う、見る、聞く、何でも含まれます。たとえば政治家の選挙活動で、候補者の選挙カーがひたすら自身の名前を連呼するのは、この傾向を利用しているからだと思われます。きっと、自身の政策についてわざわざ説明しなくても、ただ名前を有権者に対して何回も『聞かせる』つまり『接触させる』ことをすれば、それだけで有権者から好かれる可能性が高くなるのでしょう。」

ビジネスマン:「『可能性が高くなる』ってことは、『絶対に好かれる』わけではないってことですか?」

丸井:「はい。いま私が『好かれる可能性が高くなる』と言ったのは、とは言え、人が人を好きになる理由は、それだけではないからです。仮に接触回数の多さで好きになってもらえても、その気持ちを打ち消すぐらい、たとえば性格がどうしようもない程嫌われていたりすれば、結果、嫌われることになりますので。」

ビジネスマン:「ふーむ、なるほど。」

丸井:「話をロゴに戻します。今まで使って来たロゴは、過去いろんな人が『見て来た』つまり『接触して来た』わけです。ということはつまり、接触したことのある人からは『すでに好かれている』か、少なくとも『好かれ始めている』可能性が高いわけです。」

ビジネスマン:「たしかに、そうですね。」

丸井:「そんなロゴを使わなくなるなんて……。」

ビジネスマン「もったいない!」

丸井:「そうですよね。もったいないですよね。ロゴが人と接触するには、お金と時間と労力のどれもが、少なからずかかっています。ロゴを途中で替えることは、今までかけて来たそれらを、全部捨ててしまうことになるのです。」

ビジネスマン:「だから、ロゴを途中で替えなくてはいけないような、すたれる美しさしか持たないロゴを使うことは、もったいないことなんですね。すごく納得しましたよ。腹にストンと落ちました。」

丸井:「良かったです。」

ビジネスマン:「今まで私は、ロゴはちょこちょこ新しいモノに替えるほうが良いのかと、なんとなく思っていたんですけど、実はそうじゃないんですね。」

丸井:「そうですね。もしかしたら普段、有名な世界的企業がロゴを替えるのをご覧になっているから、そうお感じになるのかもしれませんね。」

ビジネスマン:「え?世界的企業は替えているんですか?」

丸井:「ええ。しかし多くはマイナーチェンジです。モチーフは替えずに、絵柄を多少シンプル化する程度の変更です。たとえばスターバックスは2011年に19年ぶりにロゴを替えましたが、変更箇所は『外側の帯及び社名の文字表記を廃し、元々内側にあった女性像を拡大した』点だけです。」

スターバックスのロゴ(1992年版と2011年版)

ビジネスマン:「ほほー、なるほど、そうなんですね。」

丸井:「何十年かに一回、ロゴをマイナーチェンジする世界的企業は多いですが、なんとマクドナルドは1968年から、さらになんとコカコーラは1887年から替わっていないそうですよ。」

ビジネスマン:「はあー!100年以上も同じロゴなんですか!それはすごいですね!」

丸井:「すごいですよね。さて、では良いロゴの条件の二つ目にまいりましょう。この条件はもちろん、コカコーラやスターバックスのロゴも満たしています。」

ビジネスマン:「え?コカコーラもスターバックスも満たしているんですか?何だろう……?」

(次号に続く)

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