一目で印象に残るか

良いロゴとは?ロゴ作成依頼者が知らないと損する3つの条件・③

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(前号の続き)

丸井:「さて、では良いロゴの条件の二つ目にまいりましょう。この条件はもちろん、コカコーラやスターバックスのロゴも満たしています。」

ビジネスマン:「え?コカコーラもスターバックスも満たしているんですか?何だろう……?」

丸井:「良いロゴの条件の二つ目は、『ひと目で印象に残るか?』です。」

ビジネスマン:「ひと目で印象に残るか?」

丸井:「はい。『ひと目で』という所が肝です。」

ビジネスマン:「なぜですか?」

丸井:「人はロゴをそんなにじっくりとは見てくれないからです。見る時間はおそらくほぼ一瞬、長くても数秒でしょう。」

ビジネスマン:「まあそうですね。私自身、コーラの缶を手に持った時も、スターバックスのコーヒーを手に持った時も、じっとは見ないですね、ロゴを。」

丸井:「はい。ですので、良いロゴは『ひと目で』、見た人の印象に残らなくてはならないのです。」

ビジネスマン:「うーん。そう言われて見たら、たしかにコカコーラもスターバックスも、ひと目で印象に残るような気がするな……。でもなんでだろう?」

良いロゴの見本

丸井:「理由は2つあります。まず1つ目は、『個性(オリジナリティ)があるから』です。」

ビジネスマン:「ほぉ。個性があると、印象に残りやすいんですか。」

丸井:「はい。逆に、個性のないモノ、つまり既存のモノとよく似たモノは、印象に残りにくいです。」

ビジネスマン:「ふーむ。そういうものですか。」

丸井:「たとえば、今日このあと、あなたは異業種交流会に参加して、100人と名刺交換をするとします。」

ビジネスマン:「ええ。」

丸井:「一カ月後、あなたはその100人全員の顔を覚えているでしょうか?」

ビジネスマン:「いやぁ……きっと半分くらいは忘れているんじゃないでしょうか。もしかしたら、もっと忘れているかもしれません(笑)。」

丸井:「では、覚えているのはどんな人でしょうか?」

ビジネスマン:「多分、『個性的な人』でしょうね。たとえば……お話しが飛び抜けて上手だったとか……ほぼ全員スーツのなか一人だけ和装だったとか……身長が2メートル以上あったとか……。『個性があると印象に残りやすい』というのは、たしかにそうですね。もう一つはどんな理由ですか?」

丸井:「はい。2つ目は、『伝えたいことを単純な図案(シンプルなデザイン)で表現しているから』です。」

ビジネスマン:「伝えたいことを単純な図案で表現すると、ひと目で印象に残りやすいんですか。」

丸井:「はい。一般的にロゴは、何かしら伝えたいことを表現するために作られます。」

ビジネスマン:「まあそうですね。伝えたいことがないなら、わざわざロゴを作る必要なんて、ないですもんね。ちなみに私の場合、デザイナーには『わが社の理念をあらわしたロゴをデザインして下さい』と依頼しましたよ。」

丸井:「あなたの場合、伝えたいことは『会社の理念』ですね。」

ビジネスマン:「ええ。……それを単純な図案で表現することが、ひと目で印象に残すためには有効なんですか?」

丸井:「はい。大辞泉(国語辞典)によると、『印象』の意味は『人間の心に対象が与える直接的な感じ。また、強く感じて忘れられないこと。』とあります。つまり『印象に残す』というのは、ごくごく簡単に言えば、『しっかりと覚えてもらう』ということです。」

ビジネスマン:「ええ。」

丸井:「しっかりと覚えてもらうためには、『複雑なモノ』よりも、『単純なモノ』が圧倒的に有利です。しかも『ひと目で』となると、なおさらです。たとえば、憂鬱の『鬱』という字と『山』という字だったら、『山』という字のほうが短い時間で覚えやすいのは、火を見るより明らかですよね?」

ビジネスマン:「まあそうですね。」

丸井:「ですので、『伝えたいことは単純な図案で表現すれば、ひと目で印象に残りやすい』のです。」

ビジネスマン:「なるほど、なるほど。いま教えていただいたことを踏まえて、コカコーラやスターバックスのロゴを改めて見てみると、たしかに個性がありますよね。これと似たようなロゴを他に思いつかないですもんね。」

丸井:「そうですね。似たようなロゴが仮に他にあるとしても、きっと、コカコーラやスターバックスの後に作られたものでしょうね。」

ビジネスマン:「ああ、たしかにそうかもしれません。売れたモノを真似する人や企業って多いですもんね。コカコーラやスターバックスはちゃんと個性的です。その上、伝えたいことが単純な図案で表現されていますね。コカコーラは『Coca-Cola』という商品名、スターバックスは『髪の長い女の人』の絵であることが、ひと目でわかります。いやぁ、おもしろい(笑)。」

丸井:「おもしろいですよね、ロゴって(笑)。さて、それではいよいよ、良いロゴの最後の条件にまいりましょうか。」

ビジネスマン:「うわー楽しみです。やっぱりその条件も、コカコーラやスターバックスは満たしているんですよね?」

(次号に続く)

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