使いやすいか?

良いロゴとは?ロゴ作成依頼者が知らないと損する3つの条件・④

<<前号に戻る

(前号の続き)

丸井:「おもしろいですよね、ロゴって(笑)。さて、それではいよいよ、良いロゴの、最後の条件にまいりましょうか。」

ビジネスマン:「うわー楽しみです。やっぱりその条件も、コカコーラやスターバックスは満たしているんですよね?」

丸井:「はい。満たしていると思います。」

ビジネスマン:「思います?……断定されないですね。何か理由でもあるんですか?」

丸井:「それはのちほどお話しいたしましょう。」

ビジネスマン:「わかりました。でもとにかく、ますます興味深くなって来ましたよ。三つ目の条件が。さあ、教えてください!」

丸井:「良いロゴの、最後三つ目の条件は、『使いやすいか?』です。」

ビジネスマン:「使いやすいか?ロゴに使いやすい・使いにくいがあるんですか?」

丸井:「はい。どういうロゴが使いやすいのかと言いますと、『使いたい物に、使いたいように使えるロゴ』です。」

ビジネスマン:「使いたい物に、使いたいように使える?」

丸井:「まず、『使いたい物』からご説明いたします。ロゴは、名刺、ウェブサイト、製品、看板など、いろんな物に使いますよね。でもそれは、人(会社)によって違うと思うのです。経営コンサルタントだったら、名刺、ウェブサイト、文書かもしれませんし、食品メーカーだったら、名刺、ウェブサイト、文書、製品かもしれません。また、飲食店だったら、名刺、ショップカード、ウェブサイト、看板、食器、メニューかもしれません。『使いたい物』というのは、そういった、『自分(自社)がロゴを使いたいと思っている物のこと』です。」

ビジネスマン:「ふむふむ。」

丸井:「次に、『使いたいように』というのは、『自分(自社)の希望通りの使い方で』ということです。」

ビジネスマン:「希望通りの使い方?」

丸井:「たとえば、『黒地(地色が黒色)の上に配置したい』とか、『A4サイズのメニュー(飲食店で客が注文するために見る冊子)の下部中央に、500円玉大の大きさで配置したい』とか、そういうことです。」

ビジネスマン:「ええ?そんなことを考えないといけないんですか?選ぶ段階で?」

丸井:「もちろん、絶対に考えないといけないものではありません。しかし、選定段階では『良いロゴだな』と思ったとしても、実際使う時になって『思うように使えないじゃないか』ということが起こりうるのです。たとえば、こういうことです。黒ビール専門のバーがロゴの作成依頼をして、その店の看板商品である黒ビールの、『黒色』を中心に配色されたロゴを採用したとします。」

ビジネスマン:「黒ビール専門店だったら、ロゴを黒色にするのは良さそうですよね。」

丸井:「はい。何せ黒ビール専門店ですので、店の内装も黒色にしました。というわけで、メニューも黒色で作成依頼をしました。」

ビジネスマン:「ええ、よくありそうなお話ですね。」

丸井:「はい。さて、そうしたら、デザイナーからこう言われました。『黒色のメニューに黒色のロゴを配置すると、ロゴがよく見えなくなります。どうしましょうか?』」

ビジネスマン:「うわぁ、それは嫌ですね。」

丸井:「もちろん、これに対する解決策はあるにはありますが、少なくとも、当初考えていたイメージと変わることだけは、避けられないこととなります。ですので正確に言えば、解決策は『解決策』ではなくて『妥協案』ですね。」

ビジネスマン:「妥協案……結果的に妥協することになるわけか。」

丸井:「はい。こういう事態を避けるためにも、ロゴ選定時に、ある程度の使い方は想定しておいたほうが良いと思います。できればそれよりも早い段階、つまりロゴ作成依頼前には想定しておいて、その使い方をデザイナーに伝えてからロゴ作成依頼をしたほうが、より良いと思います。」

ビジネスマン:「たしかにそうですね。」

丸井:「ちなみに、使いたいように使えない具体例はまだまだありますが、話が長くなってしまいますので、また別の機会にゆずりましょう。」

ビジネスマン:「ええ、そうですね。」

丸井:「さて以上を総括しますと、『使いたい物に、使いたいように使えるロゴ』というのは、こういうロゴのことです。『自分(自社)がロゴを使いたいと思っている物に、自分(自社)の希望通りの使い方で使えるロゴ』。たとえば、ある経営コンサルタントは、白い名刺に1センチ角のロゴを1つ配置したいと思っているかもしれませんし、ある食品メーカーは、赤い350ミリリットル缶いっぱいに大きなロゴを1つ配置したいと思っているかもしれません。また、ある飲食店は、白地のウェブサイトに2センチ大のロゴを1つ配置したいと思っているかもしれません。こういった各人(各社)が希望する通りに使えたら、それは『自分(自社)がロゴを使いたいと思っている物に、自分(自社)の希望通りの使い方で使えた』ということです。つまり、『使いたい物に、使いたいように使えた』ということです。」

ビジネスマン:「なるほど。よくわかりました。私は今までずっと、『ロゴは使いたい物に使いたいように使える』のが当たり前だと思っていました。そうじゃないんですね。」

丸井:「はい。」

ビジネスマン:「さて、コカコーラとスターバックスのロゴはこの条件を満たしているかな……。そうか!『使いたい物に、使いたいように』というのは本人(会社自身)じゃないとわからないから、正確には判断できないのか。」

丸井:「はい。私が冒頭に『満たしていると思います』と申し上げたのは、そういう理由です。」

ビジネスマン:「ああ、なるほど!でも、じゃあなんで『満たしている』と思うのですか?」

丸井:「なぜなら、たとえば黒地に黒いロゴを配置するような、『視覚的な見にくさ』がないですし、『カラー戦略(色の使い方)』にブレがないですし、そもそも大企業は料金が何百万、何千万もするような一流デザイナーに依頼するのが一般的です。ですのでもちろん、それぐらいのことは踏まえて作られているだろうと、容易に推測されるからです。」

ビジネスマン:「カラー戦略?」

丸井:「これも詳細を話すと長くなってしまいますので、ごく簡単に言いますと、『イメージ戦略の一部分を担う、色に関する決めごと』です。」

ビジネスマン:「ふーむ、いろいろあるんですね。ロゴも。」

丸井:「そうですね。」

ビジネスマン:「最後にまとめると、良いロゴの条件は全部で3つ。一つ目は『長く使えそうか?』で、二つ目は『ひと目で印象に残るか?』で、最後三つ目が『使いやすいか?』ですね。」

丸井:「はい。」

ビジネスマン:「いやぁ、勉強になりました。こうして教えていただくと、ロゴも奥が深いんですね、実は。」

丸井:「そうですね。ですのでやっぱり、ロゴにも品質の高低がありますね。」

ビジネスマン:「はぁぁぁ、知りませんでした。そう考えると、クラウドソーシングで頼むロゴは、選ぶ側がしっかり選ばないと低品質のロゴを買うことになりかねない……ということですか?」

丸井:「はい。クラウドソーシングは安いですが、やはり『価格にはちゃんとそれなりの理由がある』のが現実ですね。」

ビジネスマン:「なるほど、よくわかりました。さあ、じゃあ会社に戻ってロゴ選びをするか!おかげさまで楽して良い物が選べそうですよ。今日はありがとうございました。」

丸井:「お役に立てたら幸いです。こちらこそありがとうございました。」