丸井:なぜずっと「美しい」と思われ続ける必要があるのか?一言で言うと、「すぐにすたれる美しさしか持たないのはもったいないから」です。
ビジネスマン:もったいない?何が?
すぐにすたれる美しさしか持たないのは、お金・時間・労力がもったいない
丸井:お金と時間と労力が、です。
ビジネスマン:なんで?
丸井:すでにお伝えした通り「美しさ」はロゴに必要ですから、作った時は「美しかった」ロゴが、数年たってもしも「美しくない」となれば、作り替える必要が出て来ます。
ビジネスマン:まあそうですね。美しくないとなったら、作り替えるべきでしょうね。たとえると、いつまでも時代遅れな服を着ているようなものですからね。
なぜお金・時間・労力がもったいないのか?
ビジネスマン:ああそうか、作り替えるとなると、新たにロゴ作成をデザイナーに依頼し直さないといけないからか。
丸井:はい。でもそれだけではありません。
ビジネスマン:うーん。あとは……名刺や封筒なども印刷し直して、ホームページも手直しするから?
丸井:そうですね。でもまだあります。
ビジネスマン:何ですか?
丸井:それまでに貯めて来た、接触回数の蓄積がなくなるからです。
ビジネスマン:接触回数の蓄積?どういうことですか?
「接触回数の蓄積がなくなる」とは?
丸井:先程、人が相手を好きになる条件には色々あって、その内の一つが「美しいかどうか」であるという話をしましたが、また別の条件として「接触した回数が多いかどうか」というものがあります。
ビジネスマン:接触した回数が多いかどうか?
丸井:はい。人には「接触した回数の多い相手を好きになる」心理的傾向があるのです。接触というのは、会う、見る、聞く、何でも含まれます。たとえば政治家の選挙活動で、候補者の選挙カーがひたすら自身の名前を連呼するのは、この傾向を利用しているからだと言われています。
ビジネスマン:ふーむ、なるほど。
丸井:話をロゴに戻します。今まで使って来たロゴは、過去いろんな人が「見て来た」つまり「接触して来た」わけです。ある人は100回接触したかもしれませんし、ある人は1,000回接触したかもしれません。またある人は10,000回接触したかもしれません。これがつまり「接触回数の蓄積」です。
ビジネスマン:なるほど。
丸井:「接触回数の蓄積」がある人からは「すでに好かれている」か、少なくとも「好かれ始めている」可能性が高いでしょう。
ビジネスマン:そうでしょうね。
丸井:ロゴを作り替えるということは、この蓄積を捨てるということです。
ビジネスマン:うわ~。
丸井:ロゴが人と接触するには、お金と時間と労力のすべてが、少なからずかかっています。ロゴを途中で作り替えると、今までかけて来たそれらを全部捨ててしまうことになるのです。
ビジネスマン:だからもったいないのか。たしかに。すごく納得です。
丸井:良かったです。
有名な世界的企業のロゴ変遷
ビジネスマン:今まで私は、ロゴはちょこちょこ新しいモノに替えるほうが良いのかと、なんとなく思っていたんですけど、実はそうじゃないんですね。
丸井:そうですね。もしかしたら普段、有名な世界的企業がたまにロゴを替えるのをご覧になっているから、そうお感じになるのかもしれませんね。
ビジネスマン:え?世界的企業は替えているんですか?
丸井:ええ。でも多くはマイナーチェンジです。モチーフは替えずに、絵柄を多少シンプル化する程度の変更です。たとえばスターバックスは2011年に19年ぶりにロゴを替えましたが、変更箇所は「外側の帯及び社名の文字表記をなくして、中心部の女性像を拡大した点」だけです。
ビジネスマン:ほほー、なるほど。マイナーチェンジにしたのは、接触回数の蓄積を捨てたくなかったのかもしれませんね。
丸井:おそらくそうでしょうね。ちなみに、何十年かに一回、ロゴをマイナーチェンジする世界的企業は多いですが、なんとマクドナルドは1968年から、さらになんとコカコーラは1887年から替わっていないそうですよ。
ビジネスマン:はあー!100年以上も同じロゴなんですか!それはすごいですね!
丸井:すごいですよね。さて、では良いロゴの条件の二つ目にまいりましょう。この条件はもちろん、コカコーラやスターバックスのロゴも満たしています。
ビジネスマン:え?コカコーラもスターバックスも満たしているんですか?何だろう……?
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